禁煙へのゲートが開いた

長寿であることが自慢になるのかどうか知らないが、医学と食が発達したお陰で、日本人の平均寿命は世界最高レベルまでになった。もちろん、長生きするためには健康であらねばならぬことは言うまでもないが、健康の定義はそれとして、多少の不摂生であっても長生きする人がいるからややこしい。

 

最近はテレビ等でサプリメントのCМが数多く流れているが、そもそもこんなもので長生き出来るわけでなく、その旨は、「※あくまで個人の感想です」のテロップを見れば明らかで、医学的に見れば、病気を早期に発見し、有効な手立てが増えたことこそが、長生きに至った最大要因であろうと思う。

 

人はいつかその時となれば、お迎えが来るのであるが、穏やかな顔で死ねるか、苦痛に顔を歪めながら死ぬか分からないが、今この凡夫の身は、医者から処方された薬で保たれている。巷の一部では、薬漬け医療の在り方に疑問を呈するものもあるが、もし服用を止めれば、異常値を招くことは必定で、服用することに然したる苦痛も覚えぬから、このままの状況でも構わないと思っている。

 

さて、問題があるとすれば喫煙である。社会の嫌煙化の流れも何のその、五十年近くも吸い続けている盟友を、決して裏切らないとカタい約束を交わしていたのだが、ここに来て、その結束力が弱くなってきた。正直なところ、余り美味く感じなくなってきたのだ。

 

煙草を口に咥え火をつけるものの、二、三服喫えばもみ消すのが常となり、何のために喫っているのか分からなくなってきたことと、掛かり付けのドクターから、「煙草止めろ煙草止めろ」と呪文のように言われるのがうざくなり、「じゃあ、禁煙外来を紹介して下さい」と啖呵を切ったばかりに、禁煙へのゲートを開けてしまった。

 

禁煙をスタートして未だ一週間も経っていないが、これから十二週間に渡り、完全禁煙への道を進んでいかなければならない。

以下にその過程を綴っていくことにする。