パリスの流儀

日本人の特徴の一つに曖昧さがある。外国人からはこのことに対しての不満らしきことを口にする人もいるらしいが、日本人としてこの国に生まれ育ち、この日本社会の中にどっぷりと浸かりきっていれば、何の不満も支障も覚えるものではない。そもそも人間社会の中の基本的なコンタクトの在り方は、民族ごとに違うのであるから、他国から日本に来てとやかく言われる筋合いはない。「郷に入っては郷に従え」というのが、万国共通のルールであって、日本に来たからには、日本流に慣れてもらうしかない。

ただし、曖昧さにも無知からくる曖昧さと熟知した上での曖昧さがあるから、この違いを即座に理解し対応できる日本人も確かに多いとはいえない。曖昧さに対応しようとするなら、相手の心の中をどれだけ読み取れるかに懸かって来る。とはいえ、そこには常識という語は存在するものの、その姿を常に現しているとは限らないことを、先ずは理解しておかなければならない。

「忖度」という語があるように、日本社会は言わなくても解るだろうという文化の国なのである。パリスの流儀は、日本文化の中に泳ぐことにある。曖昧さを愛おしく思う流儀なのである。

 

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